あたしが昨日、駿くんと別れたことを知っているのは



香の他にもう2人いた。



それはあたしと最近仲がいい男子ふたりで、



ひとりは西崎 司(にしざき つかさ)くん。



身長が178センチと高く女子の憧れなのかもしれない。



剣道をしていただけある。



この人はあたしの前の席の人。



もうひとりは速水 夕陽(はやみ ゆうひ)くん。



この人は学年1顔がイケメンだの女子の中では大人気な人。



あたしの後ろの席の人。



てなわけでこのふたりに囲まれた席に座っていたあたしは



毎日が騒がしくってありゃしない日々だった。



3月1日。



まだまだ寒い季節で、



体育館に1時間近くじっと椅子に座っているあたし達だった。



来年はあたし達も前にいる先輩達みたいに



高校を卒業していくんだなって



なんだか時間はあっという間で。



卒業か...



あたしには昨日のことが重大すぎて



心が卒業した気分だ。



いや、駿くんを卒業したんだ。



あたしはやっぱり、未練ありありで...



座ってて間から見える駿くんを密かに見てしまう自分がいる。



あたしは一途すぎたのか。



何だったんだろうな。



付き合った期間は1年6ヶ月。



ずっと一緒にいるつもりだった。



駿があたしのことをずっと好きでいてくれたならね。