「・・・な・・・な・・・」


今度は“なな”?


笑っちゃう。


「なっ・・・夏美って・・・呼んでいい、ですか?」


そう言った桜木くんが、かわいくて胸がキュンッと音を立てた。


・・・ものすごくかわいい。


私は、大きく頷いた。


桜木くんが私の名前を呼んでくれるんだ。


「俺のこと・・・晴人って呼んで・・・?」


「うん!!」


キャーッ!


私も晴人って呼べるんだぁ!



でも・・・、“晴人”ってみんなが呼んでるからなぁ。


何か、私だけの呼び方を作ってみたい・・・。



私はそう思った。