あたしに向けられるのはまたその背中で、残念なような安心したようなその感覚にあたしはただ浸っていた。 とにかく、顔の熱を冷ますのに必死で。 駿にとってはただの挨拶のようなその行為だって、あたしには心臓が壊れるくらいのドキドキを連れてくるんだから。 こんなにムカつくしこんなに最低だと思うし、こうやって頭を撫でられているのはあたしだけじゃないと思っても。 やっぱりあたしは、駿に惚れている。