私は、温められる。 薄紅の光りが部屋に差し込んでくる。私はとても敬虔な気持ちになる。 そして静かに彼の耳元に唇を寄せ、囁いた。 「あなたも人の親になるの」 規則正しい彼の寝息。 明けていくこの世界。 お腹の中の新しい命。 「私達に子供が出来たのよ」 その言葉は金色の粒子となって昇華する。柔らかい幸福感が私をふわふわと包み込んだ。 もう一度一人で笑って、彼の隣に体を寄せる。 そしてまた、深い眠りに入っていった。