私は頭を下げて、お疲れ様でした、と背中を向ける。 そしてヒールの音を不必要にたててロッカールームを出た。 ガッツポーズしたいのをぐっとこらえていた。だけど店員通用門をでたところで我慢ならず、お腹の前で小さく拳を握り締めた。 「うし!」 よーしよし!言いたいことは言ったぞ~!! 5月直前の爽やかな夜風を吸い込んで気持ちを落ち着ける。 全く、バカに絡まれちゃったら疲れるったら・・・。私は一人で笑う。 さあ、帰って彼の作った晩ご飯を食べようっと。