憂鬱な午後にはラブロマンスを


「私、私ね・・・」

「あ、いたいた! 遠藤さんと森田さん! 社員全員大広間へ集まれってよ!」

「はーい!今行くわ!」


珠子が何かを言いそうになった時、社員に集合がかけられた。郁美は肝心な話を聞くことなく珠子と一緒に大広間へと行くことになった。


「郁美、後で相談にのって欲しいの」

「うん、いいよ。その言葉を待ってた。」

「郁美」

「親友なんだから、遠慮しないでよ。」


郁美の言葉に珠子は一人で悩む必要はないのだと心が軽くなったように感じた。
今夜、皆が寝静まった時に郁美に相談しようと珠子はすべてを打ち明けようと思った。

そして、社員が集まった大広間では社長から社員の労を労う言葉がかけられていた。
既に社員は集まっていて宴会が始まろうとしていたのだ。


「もう宴会なの?早すぎじゃないの?」


郁美と二人で隅っこの方の席へ座ろうとしたところ、二人に気付いた小田が珠子のところへとやって来た。