今日は土曜日。

俺達は寿美礼ん家の前にいた。

皇多が退院した日は
父さんが帰って来てバタバタして
なかなが、寿美礼にお礼を
言いに行く暇がなかった。

電話をかけると
すぐに寿美礼が玄関を開けてくれた。

「陽菜君・皇君、いらっしゃい」

甘党な倉持家のために
駅前のケーキ屋でケーキを買ってきた。

『寿美ちゃん、これどうぞ』

皇多がケーキを渡すと寿美礼が
とても嬉しそうな
表情(かお)をしたのを見て
正解だったなと思った。

「上がって上がって♪」

ケーキがよほど嬉しいのか
何時もより声が弾んでいる。

リビングに案内されると
そこには寿美礼の両親がいた。

『お邪魔します』

皇多と二人で挨拶をした。

『啓正 さん、
今回はありがとうございました』

「いやいや、皇多君を
助けたのは
あくまで寿美礼だよ」

「助け出したのは私だけど
あいつらを逮捕しなきゃ
誰が主犯か判らなかったから
そこはやっぱりお父さんのお陰だよ」

寿美礼が加勢してくれた(笑)

『寿美ちゃんの言うとおりです』

俺達は啓正 さんに
ありがとうございましたと
もう一度言い、お辞儀をした。

「二人とも、頭上げて」

そんな俺達のやり取りを
千慧さんがニコニコしながら見ていた。

「四人とも、紅茶淹れたから
陽菜人君達が買ってきてくれた
ケーキを食べましょう」

この後、五人で色々な話をした。