" 好きだ "という言葉を聞いて
未晴は悲しそうに微笑んだ。

「……ありがとう。あたしも好きだったよ。でも、付き合ってるときに言ってほしかったな。」


初めて付き合ったのが未晴で

初めて手を繋いだのも未晴で

" 初めての恋 "に、いっぱいいっぱいで照れて「好き」なんて言えなかった。

ほんとに「大好き」だったから。

「大好き」が、あの頃の俺には手に負えなかったのかもしれない。

「好き」って言わなくても
行動で伝わってる、なんて簡単に思ってたんだ……


「あたしね、翔吾が大事なの。」

それは、中途半端にも優しさを残さない、というような言い方だった。

これが未晴なりの" 優しさ "だって知ってたから。

「……うん、聞いてくれてありがと。翔吾、あいつイイ奴だからよろしくな」


だからこそ、素直になれた。