もっと聞かせて うっとり酔わせて

「瑠花は甘党だろ?」

「はい。わかります?」

「俺は辛党だ。」

「アルコールの方がよろしかったのではないですか?」

「大丈夫。酒ならカウンターにそろっている。さっ食べよう。」

「ミルクを入れてもいいですか?」

「たっぷりある。遠慮しないで。」

「ありがとうございます。」

千葉さんは話し好きなタイプだ。

食べながらでも飲みながらでも

適度に間をおいてしゃべった。

おかげで私は最高に素敵な時間を過ごせた。

千葉さんの声を四六時中耳にして

その一言一言を録音しておき

あとで再生したいくらいだ。

私は千葉さんの声のとりこになってしまった。

「千葉さんはいつから声変わりしたんですか?」

「瑠花らしいけど、変な質問だな。」

「いつからですか?」

「覚えてない。それが重要?」

「いいえ、ちょっと聞いてみただけですから。」

「デザートにしよう。」

「千葉さん、辛党なのにケーキもオッケーですか?」

「もちろん。ここのは変な甘さがないから。食べてみればわかるよ。」

千葉さんの言ったことは本当だった。