もっと聞かせて うっとり酔わせて

「千葉さんのご予定はキツいですよね?」

「何かある?」

「母が明日の夜一緒に食事したいと言っていて。一応お伝えしましたから。」

「俺と行くのがイヤなの?」

「そうじゃなくてスケジュールがご無理かと思っただけです。」

「はは~ん。」

「何ですか?」

「行きたくないんだろ?」

「そんなことないです。親に会うのも半年ぶりですし。」

「場所は?」

「たぶんどこかのレストランだと思います。母はカジュアルなタイプではないので。」

「オーケー。一緒に行こう。」

私が嫌そうな顔をしたので

千葉さんは余計行く気になったのだと思う。

「そうイヤな顔をするなよ。いいじゃないか。」

「わかりました。母に場所を確認しておきます。」

私はスマホを手に取り

母にメールを送信した。

コンコンとノックの音がした。

「来た。」

ルームサービスで何を頼んだのだろう。

こんな夜中に。

ボーイがワゴンを押して部屋に入ってきた。

「ありがとう。」

千葉さんは適当にやるからと言いながら

ボーイを帰した。

ワゴンには上の段にサンドイッチと紅茶のセットが

2段目にはフルーツとケーキがガラスケースに入っていた。

「わぁ~デザートまで!?」

私が驚いて言うと千葉さんはポットからカップに紅茶を注いだ。