私は思いっきり走り出した。

「はぁ…はぁ…」

やっと靴箱に着く。けど、間に合うか…

「…ダメだ…間に合わせないと…」

運生と約束したもん…。それに加瀬君だってフォローしてくれた。

「…行こう…」




「…あ!めいっ!!」

「…はぁ…」

私が着いたときにはちょうど加瀬君がバトンを受け取っていた。

「…12位?」

「…ごめん。俺が…途中で転けたんだ」

「峰吉のせいじゃないよ!私が、1人しか抜けなかったから…」

「…」

え…?…加瀬君すごく速い。

「めい!並んで」

「あ、うん」

今は7人抜いて、5位。

「…あと5人…」

加瀬君は近くまでせまっている。けど

「めい?!」
「如月さん?!」

どうしよう…私、5人も抜けるかな?…1位じゃないと野々は山中君と付き合わないといけないんだよね…野々が好きなのは峰吉君なのに…

すごいプレッシャーで助走をつけるのを忘れて立ち尽くしていた。まるで、ここに自分しかいないような…

「如月!はしれっ!」

どうしよう…

「如月っ!!」

どうしよう…






「 ……めい…… 」


え…?

「う、んせい…」

「…めいなら大丈夫だろ!!俺らに勝利の幸せ分けてくれよっ!」

「おーいっ!めいちゃーん!!気負いすぎだよ!力抜いて!!」

「精羅…」

「めいっ!!自分を信じろよー!!」

「拓哉…」

そうだね…。どうしようなんて考えてらんないよね。

「めい!!…はしれっ」

私は加瀬君からバトンをもらって走り出した。

1人目を抜く。

「「「いけぇぇ!!!」」」

2人目、3人目…2位。

「…はぁ…はぁ…」

速い。この人確か陸上部だった?