「第一走者は位置についてください」

「赤井〜がんばってよね!」

私も応援しようと思ったけどやめた。話すことは出来てもやっぱりいじめられてたのに今更仲良くなんて思えない。ま、赤井君の場合は見て見ぬ振りだけど。

『よーい…ーパンッッ!ー』

12人中、10位。

「赤井君速いけど、周りの人も速い…」

「…如月…」

「何?」

「…お前、その靴!」

「え?あ!!!」

加瀬君に言われて今気づいた。私は加瀬君を探すときに上履きに履き替えたのでそのまま来てしまった。

「どうしよう…失格になるよね…」

「…あぁ!めんどくせぇ!…履き替えてこい!!」

「で、でも靴箱まで距離あるし…順番が…」

「…間に合わなかったら俺が二回走ってやる。…とにかくお前は精一杯走るんだろ!行ってこい!!」

「…うん!!」