「はぁ…はぁ…」
「遅いよ!しっかりしててよ」
「す、すみません!」
あー怒られちゃったよ〜。
「加瀬君がハチマキわすれるからっ」
「先行っていいって言っただろーが!」
「むぅ〜」
「「めい!」」「めいちゃん!」
「あ、運生!拓哉!精羅!」
「見てるからな〜」
「がんばれよ!」
「ファイトだよっ」
「ありがとっ!精一杯走るね!」
「うん!じゃあ、応援してるから」
「あ、めいっ!」
応援席に戻ろうとしていた精羅たちとは逆に、私は運生に引き止められた。
「…運生?」
「勝たなきゃとか思うなよ。バカなお前なら思ってるんじゃねーの?」
「…」
運生ってエスパーかな?
「精一杯楽しめよ。…ま、勝ちも大切だけどなっ」
「もぉ!精一杯楽しめよ。ってところで止まってよ!!」
でも、さっきより気持ちが落ち着いてる。
「めいのこと見てるから。がんばれ」
そう言って運生は笑顔で頭を撫でてくれた。
なんでだろう…運生と話してると、胸がドキドキなるの。
「じゃーなっ!」
「あ、うん!ありがとうっ!!」