さっきのはなんだったんだろう…。
「うーん。かんがえててもしかたいなし精羅たちのとこ行こっ!」
「めい!」
「あ、運生!」
「あれ?それ制服?かわいいじゃん」
「う。ありがと。ねぇ精羅と拓哉は?」
「拓哉は検診中。精羅は…」
そういうと運生は口を閉ざした。
「え…な、なに?精羅…なにかあったの?」
「…精羅は…病状が悪化して、個室に移動になった」
病状が悪化して?うそ…精羅昨日はあんなに元気だったのに…
「…私、今なにも…出来ない自分が…悔しいよ…」
「…俺だって…なんもできなくて」
「…私明日学校行ってくる」
「…?」
精羅が言ってた。学校行けていいなって。…めいちゃんはいじめなんかしてる人たちに負けないでって。
「精羅が行きたがっていた高校の話をたくさん聞かせてあげる…精羅にも…まだ行けるって…諦めないでって…。」
こらえていたはずの涙は止まることを知らないように…流れていく。
「いじめなんか…私は苦しんでるつもりだった。でも…」
精羅や拓哉、運生の方が苦しいはず。
「…お前は十分苦しかったんだろ?俺らと比べんな。めいは幸せになる権利があるんだから」
「運生…」
なぜだか運生の言葉は、誰が言った言葉よりも心の奥まで響いて…私は…心から叫んだ。
「…運生にだって…。運生にだって幸せになる権利がある!!あきらめないでよ!…私は…運生に幸せになってほしい」