控え室に戻ると皆んな僕に寄ってきて「凄い‼︎」と言ってきた。


「そう。一応ありがと」

なのでとりあえず礼を言った。


「1時間の休憩の後、決勝戦を行うと先程担任から聞いた。
相手はガネット魔法学園の桐谷賀道夜という男だ。頑張れよ、」


颯斗からそう聞いた。


強ければ良いけど……


「まー負けない程度で頑張るよ。
じゃあ、残りの1時間は寝る事にするからもう行くよ。」

じゃあね、と言って僕は消えた。


「もう少しくらい会話をしても良かったのではないか?」

肩に乗っていたアルムがそんな事を言った。


「他に話すことなんてない。そもそも他人と何を話せば良いのか僕には分からない、」


そう言うと少しの沈黙が流れる。


ーーフワッ

急に頭を何かで撫でられた。


アルムが尻尾で僕の頭を優しく撫でていた。


「優雨はちゃんと会話出来ておる。心配せずとも大丈夫だ。」

よしよし、と赤子をあやす様に撫でるアルム。


「ありがと………アルム」

僕は小さく呟いた。