はぁっ。
「直んないなぁ。」
あの後、私はホームルームを終え、
トイレで寝癖を直してる。
「もうっ、イラつく!」
「どうしたの?」
な、何?天使の声が聞こえたんだけど。
「あ、寝癖?」
「そっ、そうなの。全然直んなくて。」
「私、直してあげるよ!」
やっぱり、天使だった!
「あ、ありがとう。」
「きにしないで?私、 羽川志乃(hanekawa sino )。」
「わたしは、藍原聖奈。」
わぁ、これって友達が出来た瞬間?
「聖奈ちゃん、よろしくね」
「うん!志乃ちゃん!」
入学して最初の友達が出来た!
トイレっていうのがちょっとアレだけど
「直ったよ」
「本当だ!志乃ちゃん、ありがとう」
私は志乃に頭を下げた。
「いえいえ、それより聖奈ちゃん
どこのクラス?」
「B組だよ」
「私もB組!」
志乃ちゃんと同じクラスダァ!
「ここで話すより、教室いこ?」
「あ、そうだね。」
うん。トイレだもんね。
教室に着くと
「黒瀬くん、私、間宮梨乃(mamiya rino )です!」
「だから?」
「黒瀬君が好きです!」
あの黒瀬が告白されていた。
「わりぃけど、彼女いるから。」
間宮さんの告白を断ると、凄く泣きそう
な間宮さん。
「彼女さん、誰なんですか?」
「ん。」
は?黒瀬が私を指差した。
「えっ?聖奈ちゃん、黒瀬君と
付き合ってるの?」
志乃ちゃんにまで誤解を招いた。
「いや、私は別に...」
「いいなぁ〜」
はぁ。もう、違いますって言えないじゃん。
黒瀬の方に目を向けるとピースして
私を見ていた。
「彼女さんって、藍原さんですか。」
間宮さんは私の方へ歩いてきた。
目の前に来止まると
「私、諦めます。藍原さんに勝てる
気がしませんので。」
ははっ....
もう、クラス中に私たち付き合ってると
思われてるね。

