「洸....お願いだ。」
その時の叶斗の顔が頭から離れない。
俺はお前のためを思って辞めたのに
本当はお前を傷つけていたのか?
「叶斗..必ずお前も全国に連れて行く。
だから、またバスケをやる。
その右腕....まだ諦めんな。」
"また、一緒にバスケをやろう"
これは、約束だ。
「その時は、聖奈も一緒だからな。」
「俺もそのつもり。」
その後は笑いあった。
胸の中にあったモヤモヤが取れた気がした。
「じゃぁ、またな。」
別れた俺たちの顔には笑顔が戻っていた
「この夕日、聖奈にも見せてやりたい」
空を見上げると、いつもより明るく
オレンジに輝く夕日が俺を見下ろしてい
た。
それはまるで背中を押しているように。