教室に戻って、入学式を済ませ、

私は足早に家に帰ろうとした。

「聖奈〜、帰ろうぜ!」

でも、こいつに止められた。

「ついてこないで!」

「やだ。」

やだって、本当に迷惑。

「これから暇だろ?デートしようか。」

私がなんであんたとデートしなきゃ

ならないんだ。

「帰ります。」

「いーから、行くぞ!」

「やっ、ちょっ...」

そのまま手を引かれて

黒瀬のされるがままきてしまった。






「ここのケーキ、うめぇんだよ。」

「カフェ。ですか?」

黒瀬君って、見た目は怖そうだけど

意外に甘党?

「ほら、入んぞ。」

「う、うん。」

今日だけ、付き合ってあげよう。

明日からは目も合わせないんだから。

「いらっしゃいませ〜ご注文

お聞きします。」

若い店員さんが注文をとりにきた。

「モンブラン2つと...聖奈、紅茶

飲める?」

「飲めるけど。」

「じゃ、紅茶2つ。」

黒瀬が注文すると

店員はかしこまりました、

そう言ってカウンターへ戻った。

「聖奈、誕生日いつ?」

「....5月.....2日。」

「一か月もないな....」

誕生日なんか聞いてどうするんだろ。

私はあんたにかかわりたくないんだよ?

「聖奈ってさ、俺のこと嫌いだろ。」

「よ〜〜くご存知で。」

「でも、俺はお前に好きになって

もらうよ?」

何言ってんだろ。

私が黒瀬を好きに?ないない。

だって、こんなに嫌いなんだから。

「お待たせしましたぁ。

モンブラン2つと紅茶2つです。」

どうやら注文が来たみたい。

「聖奈、これ美味いから、食べてみ?」

黒瀬君って、思ってとよりも

笑うんだ。って、そんなことどうだって

いい
「いただきます。」

私はモンブランを一口口に運ぶ

「美味しい...!」

「だろ?」

「スッゴく美味しいよ!」

モンブランって、こんなに美味しかった

っけ?今までで一番美味しいかも。

「ふっ...」

「な、何よ。」

「やっと、笑ったな。」

へ?