「はぁ...何してんだよ..」
え....
「黒瀬....」
なんで?教室にいるんじゃなかったの?
「たくっ....叶斗も聖奈を困らせることすんなよな...」
「洸...久しぶりだね。」
どういうこと...二人は知り合い?
名前で呼び合ってるし、仲がいいの?
「そろそろ聖奈返してもらう。」
「君たちは、付き合ってるんだ...
残念...聖奈は黒瀬が好きなんだね...」
私は黒瀬に手を引かれてその場から立ち去った。
二人はどういう関係なの...?
ただの友達?
「大丈夫か?」
「え?う、うん」
黒瀬は心配そうに私の顔を覗いた。
顔...近いっ...
「さっきの話、本当なのか....?」
「さっきの...?」
「聖奈と...叶斗の...」
黒瀬はその後言葉を詰まらせたように口をとめた。
「........本当だよ....」
私が口を開くと、黒瀬は悲しそうに顔を歪めた。
「聖奈は、叶斗がすきなのか...?」
私が叶斗を....?昔は確かにすきだった。
でも....今は...
「今は好きじゃないよ。」
「え....?」
黒瀬は一瞬目を開いたけど、直ぐに細めた。
「だって、黒瀬が好きだから。今は黒瀬しか見えてないよ?」
「聖奈....」
ふわっ
私は大好きな香りにつつまれた。
黒瀬は少し震えているみたいだけど、
すぐにそれも止まり....
「すげー不安だった....っ...聖奈が
叶斗を好きだったら.....そう思うと
体が震えてっ....」
「っ...ごめんね....」
黒瀬は普通にしてたように見えたけど、
不安だったんだ。.....私が不安にさせていたんだ。そう思うと涙が出てきた。
今、泣いちゃダメなのに...泣いたら、黒瀬をまた心配させちゃう。困らせちゃうのに.....
その思いとは反比例して...涙は止まらなかった。

