こっち向いて笑って。


「ねぇ、叶斗?最近疲れてそうだよ...
息抜きしてる?」

「別に、そんなんじゃねぇよ。」

「そ、そっか。」

そう言って笑って見せた。

「海にーちゃん元気?」

「.....」

「叶斗?」

海にーちゃんのことになると、絶対に悲しそうな顔するよね。

「聴いてる..叶」

「うるさい!!」

え...?

「ご、ごめん」

私はぎこちないけどまた笑って見せた。

「笑んなよ!お前の笑顔、大嫌いだ!」

その瞬間。私は大切なものを失った。
大好きだった人..けど、私達は親友止まりだった。
今日からは、親友じゃない。
友達にも、戻れない。
だって。大嫌いだって言われちゃったから。
私は走ってそこから逃げた。
涙は止めどなく溢れてきて。

「叶斗...っ...」

それからは、叶斗の事を忘れるために話もしなかったし、笑わなくなった。





***************

「だから、叶斗には会いたくなかった」

やっと忘れられたんだよ。
もう会うはずはなかったのに。

「ずっと....聖奈に謝りたかった。」

「え...」

「あの時大嫌なんて言って...ごめん。」

私に深く頭を下げる叶斗の姿...。
こんなこと、なんで今更...

「俺は..聖奈が好きだった」

本当に全部、今更すぎるっ。