なんで、まっててくれたの?
私を待ってたら黒瀬まで遅刻するかもしれないのに。

「ほら、行くぞ。マジで遅刻する。」

「あ、うん。ありがとう。」

手を繋いで登校.....って、本当に私達付き合ったんだ..。
普通の高校生活.....とは違ったけどこれはこれでいいかも。

「あ、言うの忘れてた。」

え、なんだろう。

「聖奈、おはよ。」

「え、あ、おはよう」

いきなりの挨拶、そして私の心を撃ち抜く笑顔。朝から心臓壊れちゃうよ....








「あ、聖奈ちゃん!黒瀬くんも、おはよう」

「志乃ちゃん、おはよう!」

「はよ〜」

教室に入ると可愛らしい挨拶をする志乃ちゃんがいた。

「なんか、騒がしいけど、なんかあったの?」

教室全体がざわざわと、特に女子は興奮したように騒いでいた。

「なんかね〜、転校生がくるんだって」

転校生ねぇ....女子が騒ぐくらいだから相当なイケメンなのかな...

「みんな〜せきにつけー。」

すると先生が転校生を連れて教室に入ってきた。

「今日からこのクラスに新しく転入してきた佐野叶斗(sano kanato )だ。挨拶よろしく。」

「佐野叶斗です。これからよろしくね」

わぁお。爽やかすぎる。女子はメロメロだろうなぁ...
でも、佐野叶斗って私の....

「それじゃぁ、藍原の隣に座ってくれ」

な訳ないか。顔も似てるし、名前も同じだからもしかしてって、思ったけど。

「み..あ、藍原さん、よろしくね。」

「あ、うん、よろしく!」

今、聖奈って言いかけた?気のせいかな。








「聖奈、それ食わせろ」

「やだよ!私のメロンパンは私に食べてほしがってるもん!」

今は昼食中。教室で二人で机をつけながら食べてる。

「なんだよ、一口くらい。ケチ...」

「な、なによ!じゃぁそのプリンちょーだい?」

ケチっていうけど、黒瀬だってケチ...

「ほら、やるよ?」

じゃなかった。

「......」

「おい、黙ってないでメロンパン。」

「あぁ、ごめん。....はい。」

プリンとメロンパンを物々交換した。
あの黒瀬が....デザート大好き黒瀬がプリンを手放すなんて、信じられない。

「お、うめ〜」

「んっ....やっぱりプリンだ〜美味しい」

でも、いっか。

私はプリンを食べられたし。
メロンパンも食べたかったけど....

「み...藍原さん」

「は、はい!?」

急に声をかけられたから、驚いて声が上ずっちゃった。

「話があるんだけど....放課後、いいかな」

佐野くんが話しかけてきた。
放課後...黒瀬と帰る約束してるんだよな

「少しくらいなら...行ってもいい。」

黒瀬に目をやると行ってもいいといってくれた。

「あ、というわけで...少しくらいなら空いてます。」

佐野君にそういうと

「ありがとう」

爽やかな笑顔でお礼をいわれました。