あの後、カフェでケーキを食べてゆっくりしながら店内からでた。
このまま、黒瀬といたいけど流石にそうもいかないわけで...

「じゃ、明日朝に迎えにくるから。」

「うん。バイバイ...」

家まで送ってもらったんだから、これ以上わがままはいえないよね....
........黒瀬とまだいたいなんて..

「そんな顔すんな、帰りたくなくなる」

「でも.....まだ一緒にいたい...」

「仕方ないな...もう少しだけいてやる」

えっ.....?

「ほんとに....?」

「俺も...帰りたくないしっ...」

まだ黒瀬と居られるんだ。
恋をすると変わるって聞いたことがあるけど、今ならわかるかも...
私が、誰かと一緒にいたいとか、我儘を口に出すとか今までで考えられない。

「聖奈ん家でもいーんならだけどな。」

「っ...もちろん...!」

私は玄関の鍵を開けて黒瀬を中に入れた

「あっ...私の部屋、二階の右側だから
そこでまってて..」

「分かった。」

一言そう言い、黒瀬は二階に上がっていった。
私はキッチンへ行き、お茶をコップに入れた。






「お待たせ〜」

部屋に戻ると、コップをテーブルに置いた。

「聖奈らしい部屋だな。」

「そう...かな...」

途端に黒瀬が口を開いたかと思えば私の部屋のこと。
私の部屋は家具は少ないし、白を基調とした部屋。
部屋に誰か入れるなんて思ってなかった
だって、両親は外国にいってるし兄弟だっていないし。
そんなことを思ってると、後ろから甘い香りが広がった。

「く、黒瀬...」

「聖奈...好きだ」

"私も好きだよ..."
その言葉は聞こえるかわからない小さな声になってしまったけど、黒瀬には伝わってるかな...
そんな幸せに浸っていると、急に顔を後ろに向かされた。

「黒瀬、どうし...んっ..」

私の言葉は黒瀬によって遮られた。
唇に暖かく柔らかい感触。
それがキスだと分かるまで思考回路が
回らなかった。