「聖奈、教室もどるか。」
「そうだね。」
ちょうど昼休みが終わる頃だ。
「ほら、行くぞ。」
黒瀬は私の手を繋いであるいた。
「わぁお、ラブラブだねぇ〜」
「あれ?黒瀬君って聖奈ちゃんと別れた
んじゃなかった?」
教室に戻ると色々な言葉が飛び交う。
「く、黒瀬!手離して!」
「ぁ、わりぃ。」
手が離れた。
なんか、寂しい。
自分から離してって言ったのに。
「聖奈ちゃん、うまくいったんだね。」
「志乃ちゃん!ありがとう!」
私は話しかけてきた志乃ちゃんに抱きついた。
「みっ、聖奈ちゃんっ、苦しいよぉ〜」
「あ、ごめんごめん」
ははっ、と笑いながら志乃ちゃんから離れた。
「黒瀬君!」
「ん?」
志乃ちゃんはいきなり黒瀬に向いたかと思うと
「聖奈ちゃんをもう泣かせないでね!」
そんなことを言っていた。
「ふっ...当たり前だろ?俺は聖奈を悲し
ませない。」
黒瀬は黒瀬で志乃ちゃんにそう宣言していた。
「だってさ、聖奈ちゃん。愛されてるね」
「ちょっ、志乃ちゃん!?」
黒瀬といい、志乃ちゃんといいなんで
こんなに恥ずかしいことをさらっといえるの?
しかも、クラスのみんな見てるし。
「なんかあったのか?てか、席に着け〜」
そこへ戸をガラガラっと開けて先生が入ってきた。
「聖奈ちゃん、またねっ」
志乃ちゃんは席に戻った。
私も席に着いた。
「「始めます」」
5時限目が始まった。
ぽいっ
私の机にくしゃっとなった神がとんできた。その紙を開いた。
《今日はデートしような。》
隣を見ると黒瀬が私を見つめていた。
これ、黒瀬が投げたのか。
私は紙に
《もちろん》
そう書いて黒瀬の机にぽいっと投げた。
黒瀬は紙を見て、ニコッと笑った。
ドキッ
その笑顔、私のすきな笑顔なんだけど。
いつも私がドキドキする笑顔。
私は顔を背けた。

