あの後、私は教室に戻った。
目、赤いかな。その後は普通に授業を受けたけど、黒瀬は話しかけてこなかっ
た。
いつもはしつこいくらい話しかけるのに。


「それじゃぁ、解散!」

放課後になっても、黒瀬は一緒に帰ろうなんて言ってこなかった。
何だろう。寂しい。

「帰ろう。」

私は校門を出て、家まで向かった。

「おい、そんなひっつくな。」

「いいでしょ?だって付き合ってる

んだから。」

何これ。
佐奈と黒瀬が腕を組んで一緒に下校していた。やっぱり好きなんて嘘だったんだ。

「あ、聖奈?」

佐奈は私に気づいたみたいで、私に話しかけてきた。

「ごめんね〜?黒瀬君、私とっちゃった」

「いや、別に私何ともおもってないし」

そういいながらも、心臓はズキズキいたむ。

「ま、またね」

私は足早に帰宅した。

「ぐすっ...」

また、ないちゃった。
涙なんか、流れる理由なんてないのに。

「ううっ....」

私が泣いていると、電話がなった。

「志乃ちゃん...?」

どうしたんだろう。
私は電話に出た。

「も、もしもしっ...」

「あ、聖奈ちゃん?ってないてるの?」

気にしないで?私はそう言うと

「そう?あのね、さっき帰りに黒瀬君

が女の子と歩いてたんだけど...」

「うん、知ってる。」

だって、会っちゃったんだもん。

「もしかしてそれで泣いてたの?」

「えっ?!ち、違うよ!」

違くないけど、私がそう思いたくないだけ。

「聖奈ちゃんはいいの?黒瀬君がいなく

なっちゃっても。」

黒瀬がいなくなる?そんなの

「いやだ...」

黒瀬が話しかけてくれなくて、凄く寂しかった。それに、佐奈と一緒にいた所見て凄く苦しかった。

「聖奈ちゃんは、黒瀬君が好きなんでしょ?」

私が黒瀬を?

「.....うん、好き。」

「そうだよ!だから、しっかりと

話をして!逃げちゃだめだよ!」

そっか。わかった。

「ありがとう志乃ちゃん。」

「頑張ってね」

そう言って、私は電話をきった。
志乃ちゃん、ありがとう。
志乃ちゃんの言葉で気づいたよ。
私がドキドキしたり、苦しくなるのは、
黒瀬が好きだからなんだ。

「もう、泣かない。」

黒瀬に好きって言うまでは絶対に。