「フゥ〜食ったなぁ〜〜」

あの後黒瀬は全部完食して、満足そうな
顔をしている。

「聖奈〜今日はありがとなー」

「あ、いや別に、大丈夫!」

私はというと、胸のドキドキがうるさいまま。早く治って欲しい。

「今は...1時か...どっか行きたい?」

「えっ?私?」

「付き合ってくれたし、聖奈の好きなと

こいこ?」

って言われてもなぁ...考えてない。
私は周りを見回した。
あれは...雑貨屋?

「あそこ、行きたい!」

「お、行くか。」

私たちは雑貨屋に向かって歩き出した。

「いらっしゃいませー」

店内に入ると女の子って感じの装飾で、
とっても可愛い雑貨が沢山あった。

「あ、黒瀬..大丈夫?」

黒瀬って男だし、こういう所嫌だよね。

「いや、気にすんな。」

「ありがとう。」

黒瀬の言葉に甘えて私は雑貨をみはじめた。

「あ、これ可愛い〜」

私が指差したのはマカロンのストラップ

「欲しいのか?」

「買おっかなぁ?」

私がストラップを手に取ろうとしたら...

「俺が買ってやるよ」

黒瀬が先に取った。しかも2つ。

「えっ!?いいよ」

でも、黒瀬はレジまで持って行って
お金を払ってしまった。

「ありがとうございましたー」

店をでて、黒瀬が私にストラップをくれた。

「これ、2つ入ってる。」

「2つ?」

そう言えば2つもってたな。

「お前が俺を好きになったら、片方

俺に渡して。好きに何なかったらその

まま持ってていい。」

なるほど。
そういう考えだったんだ。

「わかった。ありがとう。」

私はカバンにストラップを入れた。

「次、駅前に行くか?」

「駅前?」

なんかあったかな?

「あそこ、新しいアイスクリーム屋がで

きたんだって。」

「アイスクリーム!?行きたい!」

と、はしゃぎながら言ったけど、
今日沢山食べたからこれ以上食べたら
本当に太る。

「よし、行くか。」

黒瀬は私の手を握って歩き出した。
いいや。食べないようにしよう。






「わぁ〜いっぱい種類あるんだね!」

「俺、チョコとバニラのダブル。」

私は、どうしようかな。

「私は......ストロベリー。」

結局、食べちゃうんだよな〜〜

「ん〜、冷たい〜」

「ははっ、アイスだし当たり前だろ」

ベンチに座って二人でアイスクリームを堪能していた。

「聖奈、今日めっちゃいい日なんだよ」

「なに?いきなり。」

確かに天気は青空で、いいけどさぁ。

「普段あんまみれない聖奈の笑顔が

沢山だから」

黒瀬は耳元で囁いた。

「そ、そんなこと!?」

「そう。こんなことでも、俺にとって

めっちゃ嬉しいこと。」

やっぱり、黒瀬はずるいよ。
私をドキドキさせないでよ。







「ハァーっ、今日は楽しかった〜〜」

黒瀬は伸びながら笑顔で言った。

「まぁ、悪くはなかった。」

その後は私の家まで送ってくれた。

「そんじゃ、またなー」

「うん、またね。」

手を振りながら黒瀬は帰って行った。
私は部屋に向かって今日を振り返った。

「まだ...心臓がうるさいや。」

あれから時間たってるのに、なかなか
静かにならない。

「き、気にしない!」

これ以上気にしたら頭いたくなりそう。