「じゃぁ、話きかせて?」

黒瀬をソファに座らせて話を聞くことにした。

「いや、話っていうよりは頼みだ。」

頼み?私にできることかな?

「これなんだけどな...」

そういって出してきたのは一枚の紙。

「カップル限定スイーツ食べ放題?」

「これ、一緒に来てくんない?」

黒瀬は頼む!と、両手を合わせてきた。

「まぁ、いいけど。」

「まじか!?」

だって、黒瀬スイーツ大好きだもんね?
ここで嫌だっていって機嫌悪くされても困るし。

「準備してくるから、まってて。」

そう一言いって私は部屋に戻った。

「何着て行こうかなぁ。」

オシャレした方がいいかな?

デートっぽいよね。

「うん...これでよし!」

着替えて、準備完了。

私は黒瀬の所へ戻った。

「お待たせ..」

「み、みなっ....」

あれ?
黒瀬は私を見て、顔を隠した。
そんなに変だったかな?

「ごめん。変だよね、着替えなおし...」

「いや、全然変じゃない」

部屋に戻ろうとしたら、黒瀬に腕を引かれた。

「ってか、めっちゃ可愛い...」

「っ...ありがとう...」

黒瀬の顔は赤いってすぐ分かった。
だから隠してたんだ。

「聖奈、顔赤い」

「く、く黒瀬だって赤いよ!」

私たちは二人とも顔が真っ赤だ。

「そろそろ、行くか」

「うん」

黒瀬と一緒に玄関をでて、目的地の
カフェまであるいた。確かこの前黒瀬
と一緒に行ったカフェだ






「わぁ....結構人いるねぇ。」

カフェの前には行列が出来ていた。
30分くらいは待ちそう。

「並ぶぞ。」

「う、うん。」

黒瀬に手を引かれ私たちは例の
最後尾に並んだ。

「黒瀬、退屈しない?」

「全然?聖奈がいるじゃん。」

またこいつは恥ずかしいこと言って。

「な、ならいいけどっ。」

その後は黒瀬と話をしながら
気がつけば順番は次まで来ていた。

「お待たせしましたぁー。」

店員が私たちを席まで案内した。

「やっと入れたね。」

「そうだな。注文、何にする?」

黒瀬にメニューを渡され、私はひとまず見てみた。
あ、このチーズケーキ美味しそう。

「私、チーズケーキにするよ。黒瀬は

何にする?」

「俺はそうだな...アップルパイと、

ショートケーキと、イチゴ大福もうま

そうだな!」

そんなに沢山食べるんですか。
食べ放題だからいいんだけどね。

「てか、聖奈もっと頼めば?

せっかくの食べ放題なんだから。」

「いや、私はいいよ。黒瀬沢山

たべなよ。」

私これ以上太りたくないし。
それに、黒瀬がきたいっていったから
来たわけだし。

「そうか?あ、すいません」

黒瀬は近くにいた店員をよんだ。

「か、かしこまりましたっ!」

黒瀬が注文すると、店員は驚いたように
していた。
そうだよね。だって、頼みすぎだもん。

数分待ってると、注文したものが全部運ばれてきた。

「わっ、凄い量..」

テーブルにいっぱいのスイーツ。

「よし、食うか。」

「いただきますっ。」

私たちは食べ始めた。

「ん〜〜美味しぃ〜〜」

このチーズケーキ、すっごく美味しい!

「そんなに美味いの? 」

「うん!」

「一口ちょーだい。」

私に向かってあーっと口を開ける黒瀬。
ちょっと可愛いかも...

「は、はい」

私は黒瀬の口にチーズケーキケーキを
運んだ。

「お、うめぇー!」

「でしょ?」

やっぱり、甘いものは癒されるなぁ

「俺のものやるよ。」

「えっ?」

そう言って、黒瀬は食べていたショートケーキを私の前には運んできた。

「はい、あーん」

えっ、あーんとか、どうしよう。
でも、待ってるし食べよう!

「んっ...美味しい!」

「だろっ?」

満足そうに笑う黒瀬。ここで私はある事に気付いた。
間接キスじゃん。私は自分の顔が火照って行くのが分かる。

「はっ?聖奈顔真っ赤!?どうした」

「な、なななんでもにゃいっ...あ...」

よりにもよって、噛んでしまった。

「噛むとか、可愛いし。で?どうしたの

かな?教えないと...どうなるか..」

「わ、わかった!教えるから!」

黒瀬の目が怖い!

「間接キス...してたから、恥ずかしい

だけ!」

うぅ。くちに出すともっと恥ずかしいっ

「意識してんの?」

「す、するに決まってるでしょ!」

黒瀬は意識してないの?

「すげー嬉しい。聖奈が俺を意識して

んでしょ?」

そんな顔しないで。笑顔を見せるなんて
反則だって、知らないの?
こんな時に胸が高鳴るんだよ。
なんでなの?