そう思って、私は絵里に対して、目一杯の顔を作って見せた。



私の顔を見た絵里は、一瞬不思議そうな表情になった。





でも私には時間がない。




死が近付いてる。





絵里の顔を最後にきちんと焼き付けて、私は教室を出た。



そして、屋上へと向かった。







ガチャ。



私は死への扉を開けた。




降りしきる雪の中に、私は一人。



私は孤独な人間。





ふう・・・・。


呼吸を整えて、一歩、一歩・・・前に進む。