屋上に着いた。 ドアノブを握り、古びた扉を開ける。 サアアアと風が吹いてきて、わたしの自慢の黒髪が靡く。 扉を開けたときの、あの風好き。 屋上は、私のお気に入りの場所。 昼寝をするのに適している。ちょうど春でポカポカするし。まあ、それだけの理由じゃない。 一番の理由は、人が来ないから。 屋上は立ち入り禁止になっている。だけど、私がここに来れるのは、ルールを破っているから。 言ったでしょ?ここの生徒はマジメちゃんって。