祓い屋!

目を覚ますと見慣れた天井に自分の匂いが染み付いた布団に埋もれていた

「小梅?」

かすれた声で側に座ってのぞき込む小梅の名を呼ぶ

「よかった、気づかれたのですね」

「クロは?」

「あちらにいますわ」

小梅の指す方向を見ると、ピクリとも動かないクロの姿がある

「クロ!」

布団から飛び起きるようにして椿はクロの側に行く、読んでも、揺すってもクロは動かない

「クロ!死なないで〜
もうクロの言うことに文句言わないから
クロ…なんで?私を庇って死んだりしないでよ〜」

椿は涙が止まらなかった

どんな時でも飄々としているクロが反応しないなんて

「おい、お嬢。今言ったことは本当だな?」

「へ?」

「勝手に殺してんじゃねーよ」

「く、クロー!」

寝そべったまま口だけを動かすクロに泣いたまま椿は抱きついた

「死んだかと思ったー!」

「大妖怪がこれくらいで死ぬかよ」

軽口を叩くがやはり元気はない様子のクロ

「ごめんね、もう神様には暫く関わらないようにする」

「椿さま、こちら届いてますわ」

クロにしがみついて離れない椿に小梅は1通の手紙が
渡される