それから、東城氏は月に一回紗耶香に定期連絡を必ず入れた。
「もしかしたら、千尋は何処かで私の異変に気付いていたかも知れません。何も私には、話ませんでしたが、今はそう思えます。」
東城氏は、力なく私に話す。
しかし、彼の話しを聞く限りどうやら、お腹の中の子供は、私と東城氏二人の子供である可能性もある。
けど、あの電話でハッキリと彼女は、私の子供だと告げた。
だから、私は、可能性の問題よりも千尋の言葉を信じる事にした。
そして、取り引き当日が訪れた。
東城氏は、千尋の入院していた病院の前で紗耶香を出迎える。
紗耶香には、付き添いの黒服の屈強な三人の男がいた。
「これから、起きる事は、全て病院側にも承諾を得ていますから、貴方が罪で裁かれる事は無いのよ。」
紗耶香は、極度に緊張していた東城氏に悪魔の囁きをする。
五人は、新生児室へと目的のモノを受け取りに訪れたが、目的のモノも病室で寝ている筈の千尋の姿も消えていた。
紗耶香は、酷く困惑して、東城氏を攻め立てた。
彼には、一つ心当たりがあり、それを紗耶香に説明すると直ぐに車でその場所へと移動した。
千尋は、良くK市の外れにある教会に一人で足を運んでいた事を東城氏は、把握していて、産後間も無い彼女が頼る場所等安易に想像出来た様だ。
そう、彼と紗耶香は、産まれてくる赤子と引き換えに、千尋との自由な将来を取り引きしたのだ。
初めは、紗耶香の行動に驚いたが、何処となく納得していた。
千尋の件も大した理由を話さず一方的に、黒川家から除名した事実だけを伝えた時に、紗耶香は少し笑いながら私にこう告げていた。
「じゃあ、あの子はもう他人なんですね。解りました。」
今思えば、あの時から今回の一件を目論んでいたかも知れない。
その証拠に、佐土原の報告では、その頃から彼女は、個人で私立探偵を雇い、新しい自分の息のかかった使用人を屋敷に入れている。
私は、心底思い知った。
男性の私には、一生理解出来ないかも知れないが、赤子を産めぬ身体の女の執念を。
ただ、紗耶香だけを責める訳には、いかない。
私達は、夫婦で、彼女を壊したのは、私なんだと思うと、二人に対しての憎しみや憎悪よりも、自分の力の無さを悔いる気持ちが強かった。
「もしかしたら、千尋は何処かで私の異変に気付いていたかも知れません。何も私には、話ませんでしたが、今はそう思えます。」
東城氏は、力なく私に話す。
しかし、彼の話しを聞く限りどうやら、お腹の中の子供は、私と東城氏二人の子供である可能性もある。
けど、あの電話でハッキリと彼女は、私の子供だと告げた。
だから、私は、可能性の問題よりも千尋の言葉を信じる事にした。
そして、取り引き当日が訪れた。
東城氏は、千尋の入院していた病院の前で紗耶香を出迎える。
紗耶香には、付き添いの黒服の屈強な三人の男がいた。
「これから、起きる事は、全て病院側にも承諾を得ていますから、貴方が罪で裁かれる事は無いのよ。」
紗耶香は、極度に緊張していた東城氏に悪魔の囁きをする。
五人は、新生児室へと目的のモノを受け取りに訪れたが、目的のモノも病室で寝ている筈の千尋の姿も消えていた。
紗耶香は、酷く困惑して、東城氏を攻め立てた。
彼には、一つ心当たりがあり、それを紗耶香に説明すると直ぐに車でその場所へと移動した。
千尋は、良くK市の外れにある教会に一人で足を運んでいた事を東城氏は、把握していて、産後間も無い彼女が頼る場所等安易に想像出来た様だ。
そう、彼と紗耶香は、産まれてくる赤子と引き換えに、千尋との自由な将来を取り引きしたのだ。
初めは、紗耶香の行動に驚いたが、何処となく納得していた。
千尋の件も大した理由を話さず一方的に、黒川家から除名した事実だけを伝えた時に、紗耶香は少し笑いながら私にこう告げていた。
「じゃあ、あの子はもう他人なんですね。解りました。」
今思えば、あの時から今回の一件を目論んでいたかも知れない。
その証拠に、佐土原の報告では、その頃から彼女は、個人で私立探偵を雇い、新しい自分の息のかかった使用人を屋敷に入れている。
私は、心底思い知った。
男性の私には、一生理解出来ないかも知れないが、赤子を産めぬ身体の女の執念を。
ただ、紗耶香だけを責める訳には、いかない。
私達は、夫婦で、彼女を壊したのは、私なんだと思うと、二人に対しての憎しみや憎悪よりも、自分の力の無さを悔いる気持ちが強かった。
