【短編】明日また、君と会えるかな

だけど、中学は離れてしまう

私は私立の中学校に

彼は近所の公立中に行くから

……どうしよう

けどアイツ

メールアドレス訊こうにも、ケータイ持ってないし

「おい、どうしたんだ?」

「え?あ……」

なんか……すっごくいいタイミング

彼、だ

「あのさ……」

今、告白とかすれば……それが正確なのかな……?

「ん?」

「……やっぱなんでもない」

喉まで出かかった『好き』の二文字を無理やりのみ込む

……言えないや

目から涙があふれ出す

……今日が卒業式でよかった

「え!お前でも泣くのか」

「なんだよそれ」

泣くよ

だって初恋

叶いそうにないじゃん

二文字さえも言えないのに……

「新太(アラタ)」

私はそっと彼の名を呼ぶ

「明日また、あんたと道でバッタリとか……会ったりするかな?」

「おー
んじゃその時のためにおすすめの本、準備しとくわ」

「マジか」

じゃあ私は……