あの日から土曜日までは実に長かった。そんなことを思いながら勇士、健大、啓太、圭介、星也の五人は部室で練習用のユニフォームに着替えながら誰からともなく「その話題」に行かざるを得なかった。
「なあヒラ、まだ返事ねえか?」
勇士がアンダーストッキングをダルそうに履きながら健大に話しかけた。
「ああ~」
「そうか~」
「やっぱ、ダメか~」
五人は気もそぞろにプレハブの天井を見ながらため息をついた。
「やっぱもう二度とやりたくないようなナンかがあったのかな~?」
そんなことを圭介が言うと
「いや」
と啓太が強い口調で割って入った。
「一概にそうとも言えないよ、きっと」
スラパンを履いたまま椅子に腰かけた啓太の推測はこうだった。
「もちろん、俺たちにはわからない、知りようもない何かがあったはずだよ。それは多分、あいつをすごく傷つけたんだろうな、きっと。
だから何もかもヤニなっちまって野球をやめた。どうでもよくなっちまったんだと思うよ、。野球が。だけど、キライになったわけじゃないと思うんだ、オレは。
お前たちだって見たろ、あのスゲ~送球、アレは野球を憎んでも恨んでもいない、決して憎しみから投げ込まれたボールじゃない。オレにはそう思えたし、そう信じてる。
だって、スゲ~気持ち入ってたもん」
啓太以外の四人は黙ってその話を聞いていた。
外からは先に着替え終わってグラウンドでランニングを始めた下級生たちの掛け声が聞こえてきた。
「うん、そうだな。いい、送球だったな。あんなタマシイの入った送球、初めてかもな」
「お前の言う通りかもな」
「そうだな、もう少し期待して待つか」
口々にそんなことを言いながら最後は勇士がシメタ。
「少なくても圭介のあんなバックホームは見たことねえもんな~」
「たしかに。いつも気のねえボール、返してくるもんな~」
「ナに言ってんだよ。あれはカットマンが悪いんだよ!」
「バ~カ、カットかんけえ~ね~し」
最後はみんなが爆笑してついでに圭介も笑い転げていた。
「さて、行くか」
いつの間にか身支度を終えた啓太の掛け声で全員が部室を出て行った。
外は西日が強く照っていた。
「なあヒラ、まだ返事ねえか?」
勇士がアンダーストッキングをダルそうに履きながら健大に話しかけた。
「ああ~」
「そうか~」
「やっぱ、ダメか~」
五人は気もそぞろにプレハブの天井を見ながらため息をついた。
「やっぱもう二度とやりたくないようなナンかがあったのかな~?」
そんなことを圭介が言うと
「いや」
と啓太が強い口調で割って入った。
「一概にそうとも言えないよ、きっと」
スラパンを履いたまま椅子に腰かけた啓太の推測はこうだった。
「もちろん、俺たちにはわからない、知りようもない何かがあったはずだよ。それは多分、あいつをすごく傷つけたんだろうな、きっと。
だから何もかもヤニなっちまって野球をやめた。どうでもよくなっちまったんだと思うよ、。野球が。だけど、キライになったわけじゃないと思うんだ、オレは。
お前たちだって見たろ、あのスゲ~送球、アレは野球を憎んでも恨んでもいない、決して憎しみから投げ込まれたボールじゃない。オレにはそう思えたし、そう信じてる。
だって、スゲ~気持ち入ってたもん」
啓太以外の四人は黙ってその話を聞いていた。
外からは先に着替え終わってグラウンドでランニングを始めた下級生たちの掛け声が聞こえてきた。
「うん、そうだな。いい、送球だったな。あんなタマシイの入った送球、初めてかもな」
「お前の言う通りかもな」
「そうだな、もう少し期待して待つか」
口々にそんなことを言いながら最後は勇士がシメタ。
「少なくても圭介のあんなバックホームは見たことねえもんな~」
「たしかに。いつも気のねえボール、返してくるもんな~」
「ナに言ってんだよ。あれはカットマンが悪いんだよ!」
「バ~カ、カットかんけえ~ね~し」
最後はみんなが爆笑してついでに圭介も笑い転げていた。
「さて、行くか」
いつの間にか身支度を終えた啓太の掛け声で全員が部室を出て行った。
外は西日が強く照っていた。