着いたエミの家で私は思いっきり固まってしまった。





『真奈美!昨日は楽しかったな〜!!』





声をかけてきたのはエミではなくて別の人。






同じサークルの義彦だ。
義彦はとにかく軽い。



据え膳食わぬは男の恥がモットーと馬鹿げた事をサラッという。






お…思い出した。昨日の居酒屋に、確かに義彦はいた。






た、楽しかったって、どういう意味で??







「あ、あはは。そうだね〜。私飲みすぎて記憶飛んでるところあるんだよね〜。」






『…へーそうなんだ。

全然そうは見えなかったな。』






ニヤリと笑うその顔にヒヤリと背中に汗が流れる。







『義彦!寝室覗いたら張ったおすからね!』





着付けの為に寝室にエミと二人きりになって浴衣を羽織る。






エミに相談しようにも、声が筒抜けに聞こえそうで聞けないよ。






どうしよう。相手が義彦だったら。






田嶋くんと義彦、仲いいんだよね。





もし義彦が相手だったらきっと田嶋くんに話しちゃうよ。