昨日キスされた時、体から香水の香りがして、それからタバコの香りもした。




ああ、こんな香りがするんだって、キスしながらなんだかその人の全てを知っちゃったみたいに思えて、嬉しいと思ったんだ。






あの香りが義彦からするってことは……







「私が昨日キスしちゃったのって…義彦だったの?」






問いかけた私に不思議そうな顔をして、私の後ろを見つめてぼんやり考える義彦。





そして一言、





『そういう事か。』





ニヤリと笑って呟いた。








え?どういう事?





っていうか、もしかして私また間違えた??






「あ!違うならいいの!

タバコ買いに行くんだよね?

私先に戻るか…ら…!?」






離れようとした私の肩を抱いて腰に手を回してくる義彦に、ゾクリと体が鳥肌が立った。






ち…がう。義彦じゃない。





昨日感じた感触はこんなのじゃなかった。







私の体が昨日の人と違うって全身で訴えている。






「や…離してっ!!」