河原に降りる階段手前まで来てようやく走るのを止めた。





立ち止まった瞬間に噴き出す汗とハアハアとした呼吸。













「あは…凹むなぁ…」







自嘲気味に言って余計に苦しくなって





その場にしゃがみこんだ。





河原の奥の方から微かに見える花火と煙。





聞こえるみんなの笑い声。



駄目だ。今戻ってもきっと上手になんて笑えないよ。




こんな顔見せたらみんなに不思議に思われる。





しゃがみこんだまま膝を抱えて顔を沈めるけれど。






頭の中をグルグルと田嶋くんの冷たい視線に不機嫌な顔が浮かんで消えてくれない。






あんな顔されるなら






キスした相手が誰かなんて探さなければ良かった。





田嶋くんかもなんて淡い期待しなければ良かった。












田嶋くんに…





あんなバカな質問しなければ良かったーー







そしたら、昨日みたいに私に笑いかけてくれたりしたのかな?