「さて、四ツ谷と次郎にも声をかけてあげましょうね。それとも、郷太からもう知らせてありますか?」

郷太は首を振った。
「次郎とは話したけど、四ツ谷のとこにはまだ戻ってないから。電話してみて?」



六車が携帯を手にしたので、
何とはなく郷太は三田のほうを見やった。

三田はゆっくりケーキの最後のひとくちを味わっていた。
「何か?」
「もしかして、意外に甘いの好きなの?」
「、、どうですかね。

さっき言った通りですよ。
ほんとに、今まであまりこだわって食べたことはなかったくらいですから。」

「へ〜。

でも、なんか、三田っぽいかもね。」
郷太はぱくりと残りのケーキを口に入れた。


「何故か、また食べたくなりますね。
このケーキは。」
「なに?!」

「きっと六車も、また食べたいと思ってますよ。ほら、残さず全部食べてますし。
お店で出してた時も彼女のケーキは人気だったんですよね?わかる気がします。
おや?郷太、どうかしたんですか?」