「そんなの決まってんじゃん、

やばっ、ちょーうまい、、」

ぱくり、ともうひとくち。

六車と三田も頷きながら食べてくれてる。
「ぁー、よかったぁ。」
「あれ?」
郷太が、開いたケーキの箱を覗き込み、目をしぱしぱさせた。

「どうしたの?」

「なんで、あとふたつ?」

残りのケーキと、六車と三田を見比べた。

「あ、それは他の2人の分で、、って、
ちょっと、うそ、もうこんな時間?!

ごめん、あたし行かなきゃ、、」
「2人って誰の分?」
「おばあちゃまとの約束、遅れちゃう!
あ、四ツ谷と次郎の分だよ!
そのケーキ食べてもらってね!お願いね!ね?」
あたしはその場のみんなに視線を向けつつ、おじいちゃまおばあちゃま用のケーキの箱を抱えた。
「はいはい、気をつけて。」
「あ、ごちそうさまでした〜!」
六車と三田の声を背中で聞きながら、あたしは店を飛び出した。


『あれ?郷太、、何だかむすっとしてなかった?ケーキ、1個じゃ足りなかったかなぁ、、』