「よしっ!」

真夜中の部屋でひとり仁王立ちのまま大きく頷いた。
どしどしと窓に向かう。

カーテンを少し引いて、からからっと窓を開けた。春の夜風がひんやりと頬を撫でた。

『一花は、、』
この中のどこかから見てくれてると思うけど、、

暗闇の中に彼の姿は見つけられなかった。


『おやすみー』

小さくそう呟いて、窓を閉めた。


ぶるっと震える肩を摩りながらベッドに潜り込むように飛び込む。



「割と甘いものが好きだって言ってたから、、

クリームやチョコでコーティングしたやつとか?

ナッツと合わせても良さそうかも。あ、フルーツとナッツとか?

んー、タルトは?、、シフォン?


、、ぁ、そうだ、他のみんなにも作って持っていったらどうだろ?あたしはもうみんなと同じ忍者じゃないけど、、でも、今までお世話になってたし!うん!」



こうしてその夜、あたしはどんなケーキを作るかであーでもない、こーでもないと頭を悩ませつつ、いつの間にか眠ってしまっていたのでした。