「おはよーー!」

今日も元気よく挨拶をして教室に入ったあたし、成宮衣那(なるみや ころな)。

「おはよーー!」
「あっ、衣那ー、」

教室にいたみんなから返事が返ってくる。

そんな中後ろから声がした。

「ったくー、お前朝からうるせーよ」

声だけで誰かわかってしまう。

ドキドキー。

振り向くとそこには井川遥翔(いかわ はると)が眠そうに立っていた。

「はぁー?!うるさくないしー!!」

「は?声がでけーんだよ」

「うるさくないったらうるさくないですー」

「はいはい。そうですか。てかお前日直」

「……………。あーー!!!やばいやばい」

あたしは慌てて教室から出ていった。

やばいよやばいよ。

今日、日直だってことすっかり忘れてたーー。

あいつに言われるまで気づかなかった…。

日直は職員室に日誌とか取りに行かないといけないんだよなぁー。

3階にあるあたしたちの教室から1階の職員室までは結構距離がある。

それを往復とか考えられない。