4月、桜が舞い散るこの季節。

私は、高校3年生になった。

「キャー!!」


「まりあ様よー!!」


「今日もお美しい……っ」


はぁ……。

もう、うんざりだ。


ーパサッ


あたしは、バレないようにため息をつきながら、腰まで届くストレートの黒髪を肩から払う。


学校の校門をくぐった瞬間、集まるキラキラとした視線と歓声。


私は、この学園のミスパーフェクトとして、なぜか崇められている。


疲れるし、嫌われてるわけではないし、むしろ熱烈な視線なのに、みんなが私を遠巻きに見る。


そのせいで友達も出来ない。


そして、うんざりだと思いながらも、今日もこのポーカーフェイスは崩さない。