「やめ……っ、ゴホッゴホッ……下ろし、」 「悪いけど、それだけは聞けない」 なんで、 なんでこんなことするの? なんで……! 「吏架子、みっちゃ……!」 「……っ、先生!」 「保健室に、行くんだろ?俺が連れて行くから二人は教室に戻りなさい」 二人に助けを求めたけれど無駄だった。 誉くんに何かを訴えようとしていた吏架子だけど、有無を言わさない誉くんの返答に言葉を詰まらせている。 当たり前だ。 誉くんは“私の好きな人”だけど、ここでは“先生”。 二人が強く言えるわけがない。