「華恋、頑張って」 「……ごめっ」 「大丈夫大丈夫」 熱のせいか、思うように足に力が入らない。 そのせいで二人に負担が掛かり、苦しい思いをさせてしまっていた。 「男子、連れてきた方が良かったかもね」 「確かに。ごめんね、華恋ちゃん。しんどいよね?」 「だ、いじょうぶ。……私こそ、ごめ、ゴホッ、ゴホッ……!」 「華恋!」 足が止まり、その場にうずくまるようにして咳き込む。 移さないようにとつけているマスクが息苦しくてしかたない。