誉くんはこの春、高校の教師になる。 それを今まで知らなかった訳じゃない。 というか、初めから知っていた。 家庭教師の了承をもらう時、受験生である高校三年生には家庭教師が出来ないかもしれないと言われてたから。 けど。 いざ離れてしまう事になるとこんなにも哀しい気持ちになるなんて。 こんなにも苦しくなるなんて、思ってもいなかった。