諦めなきゃいけないのに。 もう、一緒にはいられないのに。 なんで、そんなこと言うの? なんで、優しくするの? 「誉くんの、馬鹿……」 ……違う。馬鹿なのは私の方だ。 分かってる。自分の気持ち。 心の中で喜んでいる自分がいるってこと、ちゃんと気づいてる。 嬉しかったんだ。 凄く凄く嬉しかった。 離れていても私のことを見てくれていることが、 心配してくれてることが嬉しくて堪らなかった。