『はじめまして。本庄 誉と言います。よろしく』 『……っ』 逢った瞬間、ビビッときた。 ううん。ビビッとなんてそんな甘いものじゃない。 甘い痺れが電流のようにビリビリと体中に走り抜けた。 『……よろしく、お願いします』 『あぁ、よろしく』 一瞬だった。 本当に一瞬で奪われてしまった。 私を見つめる鋭い漆黒の瞳に。 少し甘い、男らしい低音ボイスに。 そして、骨張った男らしい大きな手に。 心を、全て奪われた。