頭の中で駆け巡るのは、誉くんの言った“教師”と“生徒”という言葉と“俺の赴任先は華恋ちゃんの学校なんだ”という言葉だけ。
「……っ」
誉くんの服を掴んでいた両手がするりと離れ、行き場を無くしてベンチに静かに受け止められる。
そして、色濃くなった夕焼けに赤く染められた。
どれだけ時間が経ったのだろうか。
数秒かもしれない。数分かもしれない。
だけど、私にとっては永遠とも言える時間だった。
色々な言葉が頭の中で飛び交って、行き場を無くしてまたふりだしに戻る。
けれど、それは“ある答え”に行き着いて、やっと誉くんの顔を見上げることができた。
「……誉くんは私のこと、どう思ってる?」
「………」
「生徒じゃなくて、ちゃんと女の子だと思ってくれてる?」


