「誉、くん……?」 顔を上げれば、想像もしていなかった誉くんの表情が目に映って。 その表情に今度は私が驚愕に目を見開いた。 ……うそ。うそうそうそ。 なんで誉くんの顔がほんのり赤くなってるの? なんで恥ずかしそうに顔をそらしてるの? 「誉く──」 「……あー、やっぱ向くな」 「へ?」 急に閉ざされてしまった視界。 誉くんの手によって遮られたのだとすぐに理解出来たけど、なんで遮られたのかは分からない。