道のど真ん中で、小学生みたいに殴り合っている私たち。
日常茶飯事とも言える喧嘩はもはや私たちのコミュニケーションの一つになっていたりする。
けど。
「華恋、響。そんなとこで喧嘩してたら危ねぇぞ?」
「……っ、誉く──」
好きな人の前では──誉くんの前では極力喧嘩しないようにしていたのに。
「なんで……」
誉くんがここにいるの?
誉くんの家、反対方向だからこの道は通らないはずなのに。
「今日は駅前で用事があったからこっちから帰って来たんだよ。曲がろうと思ったら聞き覚えのある声が聞こえてきたから来てみた」
「あー、あはははは……」
そういうことですか。


