「愛華ちゃんに感謝しなよ」
ピタリと足を止めて響の鼻先に人差し指を突きつければ、ホッと安堵の溜息をはき出した響。
「心しておく」
「そうして」
ホント甘いよね、私って。
固い声色で返事した響にハァと深いため息をつくと、再び歩みを進めた。
一方響はと言うと、長い足を嫌味ったらしくフル活用してご機嫌顔で私の隣にならぶ。
なんだかなぁ……。
普段はドーベルマンのように警戒心むき出しなのに、愛華ちゃんのことになるとまるで子犬のようにかわいらしくなる響。
そんな響を見てるといつも思う。
本当に愛華ちゃんのことが好きなんだなって。


