「……っ、華恋」 分かってた。 誉くんも私も、このキスが終われば離れなければいけないってことを。 だから何度も何度も相手の温もりを求めて、 忘れないように脳裏に焼きつける。 このたくましい背中を抱きしめることも。 柔らかくてサラサラな髪の毛に指をからませることも。 「……俺の温もり、忘れんなよ」 心をわし掴みにするこの甘い声も。 「誉くんも、忘れないで」 私をまっすぐ見つめる熱い眼差しも。 全部全部焼き付けて、心の中にしまい込む。